リール修理 08ステラSW8000HG
異音はないが回転が重いとご依頼いただきました。
到着時の診断では、チリチリ、カチカチ音、ベール起こしてもローターがぐるんと回ってしまう💦
あとラインローラー異音ですね。
いやあ、このローラークラッチのフタですが、固着で回らない。
へこみは工具かけるとこですが、これだけ固いと養生してもエグレて傷になるのを知ってます。
私、工具屋巡りが好きなのですがすぐに必要がなくても気になる商品は買っておいて損はないです。
今回はこいつが役立ちました。無傷ですぜ旦那
診断時の告知どおりローラークラッチが一部激しく錆固着
これは巻きが重くなりますね。
ローラークラッチのインナーを留めるクリセント止め輪
頑丈な厚みですが、真っ二つです。
固着していて無理に回してバキッとなったのでしょう。記憶にないですか?
0.5秒だけ作業やめよかなと脳裏をよぎりました😚
シマノにはないので、探すのに苦労しましたよ。
ボディ割りです。
マスターギア傷だらけですね、、、
あ!!!
逆転防止のストッパーバネがくちゃくちゃに💦
現行のステラSWでも合うかもしれませんが、ハンドパワーで整形。
疲れました。
これ洗浄後のギア画像ですが、一カ所ものすごい傷ありです。
あとは錆との闘い
パーツが抜けない箇所は、はめ込み前に研磨も必要🧑⚕️
経験上、ここまでいけば復活の兆しが見えるのでスプール作業に移ります。
先に面倒なスプール内とかやって、ボディ内で作業中止になる個体もあるのでアホな私も頭使います。
カーボンドラグワッシャーがほぼほぼへたりきっており、一枚は外すだけで大破
なかなか内径外径合う現行物がないので、availのベイトリール用で応急処理としました。
残りの再利用もペラペラでいつ大破するか心配になります。
本体続き
塩害の蓄積です。
メインシャフト傷だらけ、摺動ひっかかりまくり
ウォームシャフトギアのピン錆固着で外れないなどなど、ため息でます💦
こちらのお客様のリールは引き受けましたが、2010年以前のソルトリールはほんとやばいので、お断りすることも多いです。
費用だけが重なり、パーツ有無の問題で完全復活は難しいからです。
やっとドン殻に
塩害のプレッシャーラスト箇所
ネジから塩もりもり、めちゃ怖いです。
錆はあるが分解出来てよかったです、これで壊れる個体もあるんですよ。
ラインローラーは、ヌルヌル回転にしてやろうと思います!
まあ、こんなの1日では終わりません。
必死の作業でメインシャフトもビカビカ!摺動もツルツル
しかし!
エグイ傷も一カ所ありです。
ローラークラッチの錆固着の影響でしょう。
あとメンシャフトの摺動ガイドが通る箇所
これOLDは普通に破れたりします。
パーツがないので普通の人はあきらめてもらいますが、お金持ちの人はレストア依頼してきます。
金属パテで成型修理、ここだけで1万は必要、普通の方はドン引きです。
苦労や手間賃が解らないからです。
なので古い機種のオーバーホールはお勧めしません。
さび落とし研磨完了
パーツ確保、これで固定できます😊
なおるぞ~直るぞ~
巻きも軽くなり、チリチリカチカチ音も消えました!
ギアやメインシャフト傷でヌルヌルは無理でした🙇♂️
※※※※ここからはオーナー様に要注意事項です。※※※※
組み上げ後、確認しなければいけないので、一発オートリターンを試しました。
1撃でローターロックです。
どういうことかというと、当初ベール起こしてもローター回りましたよね?
このままでは、キャストしにくいです。
②のフリクションリングが劣化膨張しているので、調整でローターまわらないようにしました。
ベールを起こした際①のZ型したクランクが②にあたりローター回転を止めます。
ですが、膨張して膨らんでいるのでオートリターンすると③のキックレバーに①が通過する際②の下に潜り込み持ち上げてしまうのです。
これでローターが完全ロックします。
汎用のゴムパッキン使っても良いのですが、オートリターンさえしなければ貴重な純正フリクションリングを使えるのでそのままにします。
洗う際もベール起こしてローター手で回したら同じことになります。
万が一、ローターロックしたら数分で直せるので、メールにてご依頼ください。
これが持ち上がってないときの正常位置です。
あとリール巻き初めに1秒ほど重って感じた時は、フリクションリングの山に①があたった瞬間だからと思ってください。
今日は誕生日
夙川のBIGOTフレンチレストラン オー・ボン・グーに連れってもらいます。
クレジットの引き落とし先は私と大黒柱の悲しいサガですね🤦♂️